もはや殺陣業界のレジェンド。殺陣55年。五万回斬られた男。福本清三さん初主演の映画。内容は、時代劇の衰退や殺陣の斬られ役の生き方みたいな、一般の方が見たら地味なのかもしれないが。僕はその世界にいるので、もう後半なんて涙なしには観れませんでしたよ。
55年て。僕ですら生まれてないですもんね。いや、子供の頃から時代劇をずっと見ていたある意味変な子だった僕は、殺陣のシーンでいつも一人だけ、異様なメイクをした人が先頭にいるという法則を見つけてたのですが。それが、この世界に入って初めて名前と顔が一致したのですが。斬られ役でそこまで子供の心に残像を残してる福本さんて、やっぱり凄いわけで。「きっと誰かが見ていてくれる」と言う福本さんの言葉。それだけその一瞬に全てを懸けてらっしゃるのだろうなあ。
自分が普段よく言ってる言葉が、劇中そっくりなセリフがたくさんあって。思わず脚本書いた人、知り合いじゃねーかと、タイトルロールガン見しちゃいましたよ(笑)まあ。長くやってるとたどり着く感覚は似てくるんだろうなあと。それぐらい、脚本で殺陣の世界に生きてる人達の世界観や人情がリアルに描かれてましたね。
斬ったり斬られたり。アホみたいな人生ですわ
と、言うくだり。僕も正月に実家で言ったなあ(笑)勿論、これ福本さんが言うから深みが増すわけで。
殺陣が出来るということは、芝居が出来るということ。
これもまたね。実は深いというか。ブログとかでこの真意や意味を語ると、とんでもない量になりそうなので書きませんが(笑)簡単に言うと絶対に教えることが出来ない「間」と「呼吸」ってことですね。時代劇の大御所たちが絶対使いたいという福本さんは、やはりそのスター達の間合いや呼吸をきちんと見抜いてるからで。
ひじの痛みもよく僕もブログでテニス肘なんて書いて、冗談言ってますが。そういうシーンも盛り込まれてて、びっくりして観てしまい。
あと30年かあ。福本さんの半分もやってない俺はまだまだ若輩者だなあ。持つかなあ、俺の肘は・・・
とかね(笑)
最後の福本さんの代名詞。「海老反り死に」のシーン。そして、全編に漂う福本さんの役を超えた生き様。久々にいい俳優を堪能しました。本当にね、皺の一つ一つがカッコよく。萬田久子さんの劇中のセリフもグッときてしまいました。てか、爆泣きしちゃいました。長い俳優生活に身を置いた者にだけ送られる賛辞の言葉。
ツタヤの棚の上のほうに、特集として三列ぐらい並べられたあの人気漫画の映画の下にぼつんとあるこの作品。劇中のシーンと重なり。また、うるっときてしまいました。
なんで、ツタヤで涙ぐんでんだ、俺(笑)