ヨンパチ女形画報 VOL.3[女塾A]

ネイルアートとは何ぞや。
ネイルアートとは何ぞや。(やや強く)

こう見えて、私は硬派なんである。軟派にも見えないだろうが。チャラチャラした男は嫌いである。サラサラ、ジャラジャラも嫌いである。

それがいまどきは男もネイルアートをするらしいんである。
「男が女みたいな格好をするな!」
「男は泣くな!」
48生まれ、いや正しくは49生まれの私は、昭和の、団塊世代の美意識をぎりぎりで継承しており、平成の風俗にはときおり憤りを覚えてしまうわけで。じゃあ、女形をやってる俺はなんだ。てゆーか、舞台じゃないと、女形というより女装ではないか。
「男が女みたいな格好をするな!」
親父さんに怒られるではないか。よかった。三年前に死んでて。よくない、よくない。よくないって言うか、重い。いまここで言うことではないだろう。

【講師紹介】
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LINDA
◇ネイルアーティスト、カラーリストetc.

-LINDAWORLDとは?-
アーティスト名にもなっている「LINDA」は、ラテン語で「美しい、きれいな」という意味。

「トライアングルハッピー(Triangle Happy)の法則」
LINDAが楽しんで好きなモノを創ったり、見つけてくる

身につけた人(使った人)がそれを見て楽しみ、気分やイメージや運気がアガル

楽しい事を周りのみんなにもおすそ分け

それを見てまたLINDAがハッピーになる

そんな「ハッピーのしかけ」を創ります。
*LINDA*
http://www.linda-world.com/
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こんにちはっ!
最近、「真面目に生きよう」いや、「真面目に生きたい」と深く心に刻んだ市村圭蔵ですっ!女形画報第四弾!

前回に引き続き、女形市村の『女塾』と題し、第三、第四、第五弾と、三段階に分けて市村が女らしく変身していく様をお送りしています。
三人の女性講師を迎え、アロマ、ハーブ、メイク、ネイル、帽子と、女性にとっては無視できない様々なカテゴリーに挑戦、これ以上きれいになったらマジで男が落ちるぜって市村、とても心配だ。と、前回はアロマ、ハーブ、メイクに挑戦し、今回はネイル!

そう、「ネイルぅう↑↑」です!

写真1 写真2 写真3

すべて三点は、 2007.6末〜7末に行われた 「World X Shibuya 展」inロサンゼルス(USA)にLINDA先生が出展されたもの。

「爪」とは、牛乳瓶のフタをほじるくらいしか用のないものだと思っていた。ヤクルトのフタに小さな穴を開けるためだけにあるものと思っていた。
爪ってなんだ?なんのためにあるんだ?あまり気持ちのいい想像ではないが、爪がないと指先はふにゃふにゃになるんだろうか。

とりあえず、クッションがきいてデコピンの威力は半減する。というより、そんなあたたかいデコピンは人類の歴史から消える。爪がないとスイッチを押すときもあたたかい感じになる。核弾頭のスイッチを押すのも、どうもあたたかい感じになってしまい、しまりがない。あたたかい感じで人類が滅びてしまっては、死んでも死にきれない。
その前に、パソコンでタイプするスピードが急激に落ち、世界の経済はパニックになり、核なしで人類は滅びるかもしれない。
そう考えると爪ってすごい。なにがすごいんだ。バカか。

そんなことはどうでもよく、上の三作品を見よ。
洒落ているではないか。洒脱ではないか。これでデコピンしてみ?血ィ出るって。○○○○してみ?血ィ出るって。血ィはいいって。
どうだ!カッコいいだろ!って俺が作ったんじゃないが、今回、自分もネイルアートを体験したのだ! 写真4

まあ、女性はたいがい知っているだろうが、知らない君にネイルアートとは何か教えよう。

【ネイルチップ(人工爪)や自爪(自分の爪)に絵を書いたり、石をくっつけたりして、アートすることである。】

ネイルチップの場合、自前の爪の上に両面テープのようなもので貼っつける。だから、恋人が急に自分の爪を剥がしにかかっても焦ってはいけない。狂ったわけではないのだ。
それは「ネイルぅう↑↑」であり、「アゲアゲぇえ↑↑」なのだ。
外見を飾り立てることで、心の戦闘モードのスイッチを入れる女性には、ネイルは重要なアイテムなんである。

■ネイルケア
というわけで、前回のあつよ先生に引き続き、銀座は某超高級ホテルのスイートルーム、というのは嘘で、とてもスイートになれない人口密度の高い、むさぁい一室にLINDA先生をお招きし、ネイルアートの講義を受けた。

写真5 おれね、この写真を見たとき、我と我が目を疑ったね。無粋だよ。なんでだよ。おめえ、人に何かしてもらっている態度じゃねえべ?
呼びかけたね。自分の心に「感謝の気持ちはどこに行ったー?」と呼びかけて、探し歩いたね。

ほんとLINDA先生、すいません。違うんです。こういう顔なんです。
いやっ、たぶん撮影班のトラがまた変なことを言ったんです。おれの勘にさわるようなこと。ぜったいそうです。おれ、いい子ですから。親にいつも「感謝の気持ちを忘れるな!」って言われてましたから。

写真6 では、第一段階。やすり(ファイル)で、爪の長さを整える。ありがとうございます。

爪に負荷がかかる爪切りはNGなんだそうな。先が欠けてしまったり、二枚爪になったりしてしまうから。やすりはグリッド数で違う。粗さが違う。木工と同じだね。まずは粗めのやすりで形を整え、最後に細かいやつで表面を滑らかにしてゆく。

そして、キューティクルケア。
甘皮を「キューティクル」と言ってしまうネイル界の強引さ。ありがとうございます。キューティクルとは、新しく成長する爪を守ってる、爪の付け根らへんの部分。

【ここ、気を付けよう!】
キューティクルと、ルーススキンを間違えている人が多いらしい!
(ルーススキンは、爪にこびりついた余分な皮膚みたいなもの)
「甘皮はいらないものと勘違いしている人が多いですが、甘皮は大事なところ。
そこに覆い被さる白いペラペラしたルーススキンというものがいらないものです。ケアはそこをキレイに取り去ります」(LINDA先生談)

キューテイクルリムーバーで、まずそれをやわらかくする。

写真7 そしてお湯につけ、ふやかす。
自宅でケアする場合は風呂上がりにやるんだそうだ。たいへんだ、女性って。キューティクルをきれいにしたり、黒ずみ取ったり、リンパマッサージしたり。風呂上りはビール飲んでぐだぁとしている男とは、外見にかける時間が違う。 

写真8 写真9
オレンジウッドスティックにコットンを巻きつけ、ルーススキンを取り除いていく。バイ菌、炎症をおこすため素人はやらないほうがいいそうな。

トラ 「ゴミ出る人いますか?」
LINDA 「ゴミではなく、ルーススキン」

無粋だな。言い方がざっくりセーターすぎるよ。タートルネックを「とっくり」って言ってるから、そういうことになるんだ。しゃばいヤンキーかよ。

その後、ニッパーで余分なルーススキンを取り、ささくれなんかも綺麗にカット。極めつけはキューティクルオイルを甘皮や爪の周りにすり込み、LINDA先生が爪の周りをプッシュ。爪の両側からプッシュ。さらには腕から手のひらまでプッシュ。血行を良くし、手を美しくするのだ。
美しくするのもそうだけど、手のひらのマッサージ最高。快楽。体の芯からじゅわ〜とする。

ところで、自分の爪はというと、どーともない爪である。手の形からして、赤ちゃんみたいにぷくぷくしていて気に入らない。

これ写真10が、 こうっ!写真11

分かるかなぁ・・・分かんねえだろうなぁ・・・。いぇーい。どうも、松鶴家千とせです。
いや、この写真でも分かるでしょ!すらっとピカピカですよ!
そして、おれ、感謝は!?感謝の気持ちは!?LINDA先生、すいません。違うんです。テロがおれの表情筋に筋弛緩剤を注入したんです。ほんと、心のなかはあったかになったんです。

■ネイルチップをつくってみよう!
さて、先にも少し触れたが、自分もネイルアートを体験した。
テーマは「天の川」

前回のメイク講座が理科の時間なら、今回は図工の時間だ。嫌いじゃない、こういうコツコツと一人な作業。

写真12 まず、チップ(人工爪)のサイズ。自前の爪に近いものをチョイス。そして、チップカッターで長さをカット。

写真13 ネイルチップの先を粗目のファイルで削り、さらにドライヤーで暖め、自前の爪にフィットするようにアーチを調整する。

ここで、LINDA先生から一口アドバイス!

【初心者は、ランダムにストーンを散りばめていくほうがアラが見えない。規則正しいアートはアラが目立ってしまうのだ。】

写真14 OPIの5R4 paris couture for sure gritter top coat (マニキュアのようなもの)を地に塗り、エッシーの3WAYグレイスで、ストーンを散りばめていく。
(3WAYグレイズは、爪の強化にもなって、ベースコートにもなって、トップコートにもなるすぐれもの。このトップコートは粘性が高いので、ストーンをつけるとき、のりがわりになって便利。少しずらしたいときにも修正がしやすいので、接着剤よりもオススメ!だそうだ。)

ストーンの大きさも様々あり、これも大きいのと小さいのとランダムに。

「最初にイメージを持つのが大事です。作品は愛です。」(by LINDA)

じゃーん。完成。写真15

最後に、LINDA先生自らが作ってくれたネイルチップをつけて。 写真16

写真17 決めの最後!後ろ!なんで!
写ってるから!なんで!

LINDA先生、ありがとうございました。 写真18

■後記
なにかのブログで、「女性の短い爪に母性を感じる」と書いてあった。
実にどーでもいいコメントだが、妙に納得してしまうところもある。「爪が長かったら家事ができねえだろ?」という恐ろしく安易な発想。でもそうなんだ。
しかし逆に、いつも爪を綺麗にしている人が松居一代ばりに家事ができたら、そのギャップで惚れてしまうかもしれない。まあ、綺麗に越したことはないのだ。

来月は、いよいよ『女塾』の大取り!帽子です!
被り物が苦手なおれはどうなっちゃうんだろうか・・・どうぞお楽しみに!

撮影協力:アナーキー琥太郎


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