ヨンパチ女形画報 VOL.3[女塾@]

ささ、久しぶりに帰ってきました!女形画報第三弾!

今回は、女形市村の『女塾』と題し、第三、第四、第五弾と、三段階に分けて市村が女らしく変身していく様をお送りしたいと思います。
三人の女性講師を迎え、アロマ、ハーブ、メイク、ネイル、帽子と、女性にとっては無視できない様々なカテゴリーに挑戦、これ以上きれいになったらマジで男が落ちるぜって市村、とても心配だ。

【講師紹介】

吉田 敦世(よしだ あつよ)写真

栄養士/着付師/メイクアップアドバイザー/アロマテラピーアドバイザー
“アロマテラピー"や“アンチエイジングメイク"などの指導を行う。
2008年4月より「生活の木」小田原ロビンソン百貨店にて
「ビューティーハーブティー」「親子で楽しむアロマ」を開催予定。
→喜和実ブログ

ヨンパチでは、10thGIGのとき、裏で着物の着付けをしてくださった方です。戦場と化したヨンパチの舞台裏で、日本着物だけならいざ知らず、タマゴの衣装まで脱がせたり装着したり、汗だくになって立ち働いてくれた生き仏のような人です。

先に言っておくけど、この人、中3の息子がいるぜ。中3って、中3だよ。思春期で反抗期で母親にむかって「おれの部屋、掃除したべ?」「だって散らかってるから」「勝手に入ってんじゃねえよ!」って言うあの中3だぜ。

「バスケやってんのよ」(吉田敦世談)

息子の話になると急にデレデレになる。母親の顔だ。当たり前かもしれないけど、普段がけっこうキリッとしてる人だから、ギャップがある。

写真
・・・。誰これ?!おれ?!

この写真は公開していいのか?
いや、自分自身に聞いてんだけど、いいのか、おれ・・・。冒頭にあつよ先生の写真を持ってきた理由が、これで分かってもらえると思う。ド頭にこの写真はやべぇな・・・俺だったら、その先読まねえな・・・って思ったから。

写真
どうよ?
どうよって、何が?
木漏れ日と和服美人はマズイだろって。堕ちるって。
女性諸君に教えよう。ネイチャーと和服のコラボで男は落ちる。いや、堕ちる。
デカダンスである。

つーかさ、前回の早乙女太一といい、今回のあつよ先生といい、おれ、辛くねえ?「見劣り」という一言では済まされない気がするんですけど。

キャッチコピー考えた。《ボヤく女形》

ヨンパチのメンバーに陰で野村克也って呼ばれているらしいんだ。
そんなつもりないんだけど、気がつくとぶつぶつ文句言ってるらしいんだ。だったら、いっそキャッチにしちゃえって、タイトルも女形画報じゃなくて、『女形の暮夜記』でいいんじゃないか。

●精油セレクト

突然ですが、本題です。
銀座は、某超高級ホテルのスイートルームに前出のあつよ先生をお招きし、アロマテラピー、ハーブ、メイクの講義を受ける

アロマテラピーやハーブが、まさか自分と接点あろうとは、うっかり想像もしなかった。ユーカリ、レモン、レモングラス、スイートオレンジ、ゼラニウム、ペパーミント、ローズ、イランイラン、山ほどある精油の中から自分の気に入った匂いをチョイスする。 写真

名前に惹かれ、まっさきにイランイランを手にする。
うわっ!
臭っ!
頭イタっ!
痺れる。手足が痺れる。ダメだ。苦手だ。苦手っていうか、この匂いが好きな奴いねえだろ?
って、すぐ側から、今回同行してくれたヨンパチ広報の秋山さんが、

「ああ、好き!いい匂い!」

人の感覚とは様々で、あつよ先生曰く、イランイランは好き嫌いがはっきり分かれるらしい。おれなんか、脳内で前世まで遡ったからね。前世で、この匂いに何か遺恨でも残してるんじゃないかと思ったくらいキツい。脳神経に重たい拳を食らったような感じだ。

最終的に市村がチョイスした精油。
1.レモン
2.スイートオレンジ
3.賞彳角
4.クラリセージ
5.麓洳徘

クラリセージの匂いを嗅ぐと、女性ホルモンが活発になると聞いて、

「えっ?頭にも効きますか?」

嗅ぐ。ぞんぶんに嗅ぐ、トラ。
撮影班!出てくんなよ!効かねえから!手遅れだから!なんだよ、狭えよ!なんだこの部屋!人口密度高えよ!ここ、スイートじゃねえべ!息が詰まる!

●フェイシャル・スチーム

写真洗面器に五十度くらいのお湯を張り、その中にチョイスした精油を三滴入れる。何種類か混ぜる。そして、バスタオルを頭から被って、洗面器に顔を突っ込めば、即席のフェイシャルスチームになるわけだが、火サスか!

死んでるよ。
ホテルの一室で殺された人だよ。

んがっ、これが気持ちいい!
はじめ、蒸気に混ざった精油の匂いに引いたけど、慣れたらいくらでもできる!これはおすすめ!
その後、オリジナルのアロマミストまで作り、ほっこり。写真

●ハーブティー(ビューティビーナス)
写真

1.ロ-ズ
2.ロ-ズヒップ

(ハーブという奥ゆかしいジャンルにあって、【ビタミンの爆弾】という過激なニックネームがついている)
3.ハイビスカス
4.ヒース(沈静作用、利尿作用あり)
5.レモングラス

これらがブレンドされているのだ。

女性はハーブとか香草とか(同じか?)好きだよなぁ。あれ、なんだ、タイ料理についてくるやつ。パクチー。あんなのも好きね。むしろパクチーだけ食ってるもんね。脇によけておくと、「いらないの?」ってパクチーをがさっと持ってく。信じられんよ。
というわけでハーブティーというものを飲んだ記憶なし。コーヒーとタバコ。ネイチャーと和服。デカダンスである。

しかしハーブティーがリラックス効果だけじゃなく、ビタミンも摂取できるとは意外だ。体的に言えば、明らかにコーヒーの敗北である。おかげでいつも顔色が悪い。

写真関係ないけど、小指に神経が行き届いてないなぁ、と猛省。

しかし、ハーブティーを毎日オープンカッフェで飲んでたら、根本から人が変わるかも。建設的な味がする。

●メイク

最近、「かんぱん」という言葉が気になる。
乾パンかと思ったら、「肝斑」である。肝臓から来る蒙古斑かと思ったら、それも違う。調べてみたけど、よく分からないからここには詳しく書かない。気になる人は自分で調べてほしい。男性にはあんまり関係ない。三十代から四十代の女性が気をつけたいシミってやつだ。
それとは別に、蒙古斑をウェブで検索したら、「朝青龍にもうこ斑があるって本当ですか?」という見出しが飛び込んできて爆笑してしまった。「もうこ斑を治すためにモンゴルに帰ったと思うんですけど」って、どうでもいいよ!なに、気になってんだよ!蒙古斑を治すために蒙古に帰ったら、むしろ広がっちゃうだろ!

さっ、蒙古斑はいいとして、メイクだ、メイクだ。写真
メイクはやってますよ。女形ですから。ヨンパチの中にあって、圧倒的にメイク道具の物量がちがう俺。というより、ほかの人たちは、メイクしないんである。トラさんがちょっぴり目ばりを入れているくらいで、ほりかわさんは何にもしないし、帖佐さんにいたってはむしろ特殊メイクの域であり、舞台本番前に大真面目にメイクをしていると、「おめえ、どこのオカマさんだよ」と突っ込まれるが、すっぴんはいかんのである。

とはいえ、メイクはまったくの自己流。最近は男役だろうが女役だろうがほぼ同メイク、やっつけ仕事であり、このままではYMO時代の細野晴臣になってしまうんじゃないかと危機感をつのらせているわけで、それはマズイ。怖い。

というわけで、この際だ。メイクを基本から学んでやろう。突っ込み無用の女形になってやろうと密かに誓った。

チャン・ツィイー。写真(映画『エンペラー』より)

「先生、この眉にしてください」
「やめたほうがいいわ。バカ殿みたいになるから」
「チャン・ツィイーになりたいんです。いや、ならなくてはいけないんです」
「このメイクは似合わないと思う」
「・・・(涙)」

《チャン・ツィイーとおれは違う》

その日、俺はひとつ賢くなった。
じつは、あつよ先生に会うまえに、自分でかるく試したんである。
やはり似合わなかった。たしかにバカ殿であった。速攻でクレンジングした。もう一秒でもその顔でいたくなかった。それでも!これは技術の問題ではないかと思い、その日ぶつけてみたんだが・・・

写真「似合わないと思う」

さよならチャン・ツィイー。
こんにちは、イチムラ・ケイゾー。

まず化粧水をたたく。
そして化粧下地、ファンデーションといくわけだが、あつよ先生、その化粧下地、何?見たことないな・・・

「みつろうとホホバオイルとローズの精油が混ざってんのよ」

「ほ・ほ・ば・おいる…?」
オリジナルだよね?売ってないよね?あのさ、今日は先生のがあるからいいけどさ、舞台の本番でおれどうすれば・・・?という疑問を胸にしまい込み、じっとその動作を見つめる。
やっぱり、ファンデーションは手で塗るんだね。のばすというより、叩き込むように塗っていく。おれも今までそうしてた。スポンジ使ったことない。ただ、おれの場合は大雑把ってだけだけど。

「先生、自分の肌に合うファンデーションの色が知りたいんですけど」

そうね〜と言いながら、先生は、白っぽいものと茶色っぽいものを、手の甲でしゃかしゃか混ぜていく。
調合するんだ・・・売ってねえんだ…

その後も、あつよ先生は手の甲を使い、自在に色を調合していく。写真

おれ、再現する自信、1ミリもねえよ。写真

まるで理科の実験である。素材(自分の顔)を知るところから始まり、そして実験する。
基本は入った。
あとは夜な夜な自分で実験しなければならない。世の女性がそうしているように。きっと実験してる。チャン・ツィーの真似して絶望しているに違いない。そうして女性は美しくなっていく。

「どうして女形をやってるんですか?」
たまに聞かれる。俺はすかさず、「なりゆき」、と答える。
5thGIGの『マク○ス』のとき、マクベス夫人の役があって、誰がやるんだって、どう考えても俺しかいない。ほかの三人は無骨すぎる。帖佐さんなんか痩せてんだしそこそこイケメンだし務まりそうなんだけど、やっぱり普段から「カウパー」とか「おっぱい」とか言ってる人には、リンパ腺から前立腺まで昼夜問わず男汁が出てる。ほかの二人にいたっては男汁で湯気が立つ。だから消去法でおれがやることになった。

じゃあ、イヤイヤかと言うと、不思議と抵抗はなかった。
それだけで、ほかの三人よりは女形がハマる素養はあったのかもしれない。

最後にあつよ先生に着付けまでしていただき、完成。写真
ほんと多才な人だ。

【後記】

女性の化粧している姿が好きだ。
つい監察してしまう。
なにか、化粧をしている行為そのものよりも、夜な夜な実験してきたであろう執念、日々の努力、そして一発勝負の集中力を見ている気がする。
ゆえに、たらたら化粧している姿はえげつないものだ。無能さを露呈してしまっている。
影の努力を重ね、本番はすぱっと平気でやってみせる。
その精神力に女性らしさを感じてしまう。
女形の胆も、そのへんにあるような気がしてならない。

来月は、ネイルアートに挑戦します!
最近は、男もネイルをするそうな・・・どうぞお楽しみに!

撮影協力:めりー
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