ヨンパチ女形画報 VOL.1

ヨンパチの女形といえばの市村圭蔵フィーチャー企画登場!
まずは第一弾、秋の夜長に圭蔵節歴代女形を写真と共に一緒に振り返ってみませんか?

それではひょっこりスタート!

■005th GIG「マク〇ス」2004年 ⇒画像

記念すべき女形市村の誕生よ!

シェイクスピアの四大悲劇のひとつ、マクベスを脚色した『マク〇ス』。私の役はマクベス夫人。夫の出世を陰で支える健気な女。

もう三年前になるのね…。思い出すわぁ。生まれてはじめてワキ毛とスネ毛を剃ったあの日。大事ななにかを失ったあの時。ワキ剃り用とか知らないから、男のT字カミソリで剃ったのよ。夜中。一人で。寂しかったぁ~。自分でやっといてなんだけど、なにか凌辱された気分だった。ちょっと血出るし、気がついたら涙ふいてた。

綺麗ね…。
女性にしてはがっしりした肩。衣装に隠れてしまっているけど、腹筋はもろ六つに割れてるわよ。これぞ健康美。やっぱり女性は健康が一番ね。ちょっと疲れた男っていうのは、それはそれで色気のあるものだけど、ちょっと疲れた女は目に余るものよ。疲れてていいのは根岸季衣くらいじゃないかしら。あの人がテレビに出てくると、場末のホステスか噂好きな主婦と相場は決まってる。個人的には原田知世主演『時をかける少女』の根岸季衣と岸部一徳の先生コンビがおすすめよ。型通りのいい先生ぷりが空中分解しそうで危なっかしくて見てられない。どう見てもスナックのホステスと客だわ。間違っても、あの二人の人生に「いい人・幸せな人」という称号はありえない。この二人の先生は、案の定デキてるわよ。

■007th GIG「白浪二人男-津波に遭う。」2005年 ⇒画像

過去に生き別れた息子と偶然再会し、恋に落ちた薄幸の女・津波。

白塗りはいつかリベンジしたいわね。言いたかないけど、メイクだけで言ったら小梅太夫以下ね。見よう見まねで白塗りにチャレンジしているのが、写真からもマル分かりだわ。でもね、そんな私もよく女性のお客さんに、なんでそんなに綺麗になれるんですか?って質問されるの。なぜか。教えましょうか?

女はね、オーラなの。外見とかしゃべり方とか以前に、心意気みたいなものがオーラに出んの。言っておく。あんたの心根はちゃんとオーラに出てんのよ。想像以上に男は女をオーラで判断するものなのよ。江原なんとかみたいに、何色ですってんじゃないの。あの人、涅槃の方?はっきり言う。オーラは透明。背景。でも見えてんのよ。心根。育ち。異性周辺。気をつけなさいっ!

着物選びは、毎回毎回苦労する。だいたい都内で開かれている骨董市で見つけてくるんだけど、おばさん連中に混じって、男が女物の着物を合わせてるもんだから、おばさんに二度見されるは、店主に怪訝な顔されるはで、身の丈に合った着物なかなか見つからないし、あったらあったで「領収書、東京衣装で」ってプロの衣装さん風情を決め込まなきゃならないって疲れんのよっ!

■SPECIAL GIG 大阪夏の陣「PRIDE-忠臣ぐらぐら外伝」2006年 ⇒画像

堀部幸。忠臣蔵四十七士の雄・堀部安兵衛の妻役。大石内蔵助との二役だからたいへんよ。早替えしなきゃいけなくて、でも時間ないし。男着物の上にまた女着物を羽織るから汗だくよ。

⇒画像
なにこのブス?インパルスの板倉に似てチョーだわ。髪長ければいいってもんじゃないのよ。この女は、幸の夫・安兵衛の昔の恋人って役回りなんだけど、ストーカーみたいに安兵衛を追ってくんの。いまは新しい恋人いるのよぉ。どういうことぉぉぉ。男の立場から言わせていただければ、そんな女は土掘って首だけ残して埋めるわね。一週間放置の刑よっ。

■009thGIG「修羅雷姫(シュラライヒメ)-三人の雷蔵たち-」2006年 ⇒画像

殺された母親の仇を取る女・ラム。いいわね。頭角の説明は省くわよ。

メイク的には迷いが見えるわ。ほぼ男ね。
あれは教育テレビだったかしら。藤原美智子のメイク術を食い入るように見ている自分がいたの。これには私も、男のなかの女を意識せざるをえなかったわね。

■010thGIG 倒幕編「SAKAMOTO!!ー鬼に、胸キュンぜよ。ー」2007年 ⇒画像

坂本乙女。幕末の風雲児・坂本竜馬の姉役。

9thのときだった。

あるお客さんに言われたの。その人は『マク〇ス』以来ひさしぶりに観に来てくれたんだけど、「前に見たときのほうが綺麗だった」って。

私、買った。塗るだけツケまつげ。マラカスを捨てて、マスカラ、買った。だって前のほうが綺麗だったって言われたら、くやしいでしょう?それに正直言って、メイク手抜きしてた。 ビューラーだって持ってんのよ。メンバーが知ったら、気持ち悪がるだろうけど、女形を演る身としては、目元のメイクは最重要課題なの。女性が、彼氏の部屋にお泊まりしても、目元のメイクだけは落とさないっていうくらい、つまり目元は、本人か本人じゃないかの分岐点なの。女形をやってそれがはじめて分かった。

特筆すべきは、この衣装ね。これまでの中で一番気に入った着物。紺地に彼岸花?がプリントされてんの。

この衣装は、知り合いの辰之助商店って、タツノオトシゴみたいな二人組が着物の行商をやってるんだけど、そこで借りたの。見応えある商品を扱ってんのよぉ。ヨンパチのリンク集に登録されてるから、ぜひ拝見しなさい。なんか買いなさい。がに股のあなた。着物を着れば、自然と内股になるわよ。猫背のあなたは背筋がピンと伸びる。路上で体育座りをしているあなた。着物を着たらどうしても女座りしかできなくなる。路上といえども、いい大人がいつまでも体育座りじゃ笑われるわよ。

[後記]
というわけで、わたくし市村による『ヨンパチ女形画報』はじまりました。
第一回は、過去十回のGIG+大阪遠征一回のうち半分は女形をつとめた「あんた、男のどこらへん?」つったら、もはや男ではなくなりつつある軌跡をまとめてみました。お楽しみいただけたら幸いです。
次回は、いま話題の流し目王子とご対面!?どうぞお楽しみに♪


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