背番号55@「語感でアイロニー」#998

松井が引退しましたね。

同世代の役者仲間と

松井やイチローが引退したら、ショック受けるんだろうなぁ

と言う話をしていたのですが。記者会見は泣けてきましたね。彼の誠実さが出てました。

思えば、松井は「王道」を宿命づけられた選手だったかもしれないですね。落合でも清原でもなく松井であったと。稀代のホームランバッター松井は甲子園5敬遠から鮮烈デビューし、「ON」と言う、王、長嶋の幻想を託され巨人に入り。託された背番号は王さんの持つ記録「55」。球界の盟主巨人。常勝軍団の四番。そして、注目されつつも求められる「紳士たれ。」と言う重圧。

同じ同世代でも、この重圧はイチローにはないであろう。イチローの重圧は個人の記録への期待であり、スタイルも違う同世代の天才二人。

常勝軍団のスターは、裏切り者と罵られても海を渡り、再び常勝軍団ヤンキースへ。定めと言うしかなほどの場所。日本が誇る長距離砲はどこまでメジャーで通用するのか。野球ファンのエゴを押しつけられつつも、どんなに不振な時でも、インタビューに気さくに誠実に答える松井。

日本で10年。メジャーで10年。球界を背負わされた松井の現役が昨日終止符を打たれた。日本で数々のタイトルを総なめ。メジャーでも四番を張り、日本人で唯一30本塁打を超えた男。

だが、松井の凄さは、同世代のスーパースター・イチローが軽やかなステップで我関せずとヒットを量産するのを横目に、松井はそんな厄介な役割を、誰もが逃げたしたくなるような重責を愚痴一つこぼさずやり遂げた事だろう。

20年間。ずっと。

男だな。松井。泣けてくるぜ。松井。

そして、日本球界復帰ののオファーがあったのにもかかわらず、彼は

「ありがたい話ももらっていた。ただ、10年前は巨人の4番として、誇りと責任を持ってプレーしており、その姿に戻れる自信を強く持てなかった」

と。恩師でもあり、同じ宿命を背負わされてきた長嶋が

「大好きな野球を続けたい本心よりも、ファンの抱く“松井像”を優先した決断だと思う」

と、代弁。満足なパフォーマンスを見せられなければファンに対しても失礼になるという思いは、巨人、ヤンキースで培われたものでもあろう。松井はスターの宿命を受け入れ、引退を決意した。

選手寿命が延び、ボロボロのなるまで現役を続行する選手が多くなってきた中で、敢えて選んだ昭和の浪花節。

引き際の美学。

もう一度言おう。

男だな。松井。泣けてくるぜ。松井。

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