先日、ボクサーのマニーパッキャオが引退しましたね。ボクシングを観ない方はご存じないかもしれませんが、まあ凄い人なんです。日本で言う所の戦後復興期に現れた長嶋茂雄ぐらいの、いやもっと半端ない人気の人。正に、その冠通り「フィリピンの英雄」にして、我らアジア圏のファンからは「アジアの奇跡」とまで言われてる人なんです。
そんなパッキャオは、フィリピン出身で、貧困から家族を食わすために路上ファイトから成り上がり、アジアの片隅の無名の軽量級王者からアメリカンドリームを掴んだ、叩き上げの男であり、史上二人目の六階級制覇を成し遂げたスーパースターであります。ボクシングの本場アメリカでも絶大な人気を誇り、パッキャオの魅力は何より逃げない好戦的なスタイルにあり、その思いっきりのいいステップインから繰り出される必殺の左スレート。同じく六階級制覇の「ゴールデンボーイ」ことデラホーヤが、スーパーフェザー級から順番に階級を上げて金字塔を打ち立てたのに対して、パッキャオは、フライ級50.8キロからスーパーウエルター級69.8キロまで階級飛ばしをやってのけ、実質は10階級制覇と言っても可笑しくないことをやってのけた男であり。信じられないよね。その体重差20キロって。ボクシングは体重がパンチ力にに比例するスポーツで、いかに体重の低い階級で勝負するかであるがゆえに付き物の過酷な減量が待っていて。それを上げていくってとんでもない事で。しかも、サッカーなどを見てもわかるように西洋人(白人や黒人)を見ても解るように骨格からスピードから力から全て劣るアジアの肉体での偉業なわけで。パッキャオは、上の階級でも通用するパンチ力と耐久力。そして何より瞬発力が並外れていたことになるのだ。
パッキャオが英雄と言われ絶大な人気を誇るのは、単に世界王者と言うだけでなく、不可能と言われてることを覆して、その階級のナンバーワンを撃破してきたからであろう。故に、ついたあだ名が
パックマン
メキシコビッグ3と言われた、パレラ、モラレス、そして「宿命の対決」と言われたマルケスの禁断の四戦。三戦まではパッキャオの2勝1分け。「k.o決着」を望むファンに応えて無謀にもオーバーペースで攻撃を仕掛け、マルケスの右カウンターでの衝撃の失神k.o負け。負けた後に、本場アメリカのボクシングファンからの拍手喝采。泣くよ。男なら、泣くよ。あれは。ファンは気づいてるんだよね。この後も、「無謀のマッチメーク」とも言われ、勝つのは不可能と言われた、デラホーヤとの一戦で一方的にボコり、更に階級を上げ、巨人にしか見えないマルガリートをボコり。パッキャオなんて、俺と身長変わらないんだぜ。それが、ガリバーみたいな男たちを撃破してくんだもん。「小よく大を制す」姿が好きな、ある意味コンプレックスのある日本人は、そりゃあ、パッキャオにサムライの姿を見てしまうよね。で、去年行われた「世紀の一戦」同世代の無敗の天才メイウエザーとの一戦。ボクシングの技術であるなら、あの一戦を見る限り、好き嫌いは別にして、やはり、メイウエザーの方が上だった。だが、メイウエザーは無敗故に勝ちにこだわるあまり、引く試合が多く、なんか消化不足の感が否めないのだが、パッキャオは勝っても負けても人を感動させる何かが、あのファイトスタイルにはあり。
試合前の殺気立った睨みあいでも、彼はいつも笑顔で、何かを超越した佇まいがあり。21年の壮絶なるボクシング人生のラストマッチでも、ファンに笑顔で対応するパッキャオに少し涙が出た。
あ。熱く書き過ぎたね。
てへ。