暴走族の話ではありません。
巨人の代走の神様。背番号12。鈴木尚広の事です。鈴木一朗が「イチロー」なら同じ鈴木族としてリスペクトを込めて「タカヒロ」と呼んでしまいたい。そんな職人なのであります。
さて。
今年のセリーグの混戦の原因は、やはり王者巨人の主力打者阿部村田コンビの不調とスコット鉄太朗と呼ばれるリリーフ三枚の疲弊だろうと思われるが。それでも首位をちゃっかりキープしてるあたりに巨人の底の厚さを感じずにはおれない。
そんなわけで点が取れず僅差のゲームが多くなってる巨人。終盤に必ず刺客として、代走鈴木を送り込む原監督。たまたま僕が観る試合がそうなのかもしれないが、逆転の狼煙を上げるホームを踏む男は必ずと言っていいほど鈴木なのであります。いや、鈴木が代走で送られた瞬間に試合が動く。そんな確信めいた空気さえ漂う。
今日も、先発菅野の復活劇やいぶし銀井端の珍しい一発が目立つようだが。代走鈴木の三盗に気を取られ坂本のショート強襲のヒットも、普通なら取れるであろう阪神のショートストップ名手鳥谷が慌てふためき、逆転のホーム生還。僕的殊勲賞は間違いなく鈴木。
そんな鈴木。規定打席に一度も到達したこともなのに、千試合出場。そして、200盗塁達成。盗塁成功率はイチロー、広瀬に続く3位。
すげーよ。タカヒロさん。
世界の盗塁王福本豊をして
「鈴木のスライディングは、滑るというより跳んでいる」
と、言わしめたほどだ。いや、福本さん。跳んではいないだろ。あなたの解説の適当さはかなりツボではあるが。余談だが、子供の頃の僕の野武士パリーグの残像は、福本であったりする。小さい体に、パンチパーマな頭に、やたら太いグリップのバットに。盗塁決めたら、同じくパンチパーマな三番好打者加藤英司がヒットで返すみたいな。パンチパーマからパンチパーマへの勝利の方程式みたいな。
しかし。鈴木の手袋のデカさな。しかも、巨人のチームカラーのオレンジのな。
巨人の歴代盗塁王の系譜は、「赤い手袋」の柴田勲。この人、賭博で捕まって。記者会見でトランプ柄のセーター着てた人(笑)
2代目が、「青い稲妻」の松本匡。歌舞伎顔の人。
そして。鈴木。もうね。巨人のロッベン。オランダのオレンジな稀代のドリブラーロッベン。
巨大戦力の中で生き残りを懸けて、己の居場所を見つけた巨人生え抜きの男。鈴木尚広。阿部キャプテンと同じ年。
ただ、走るだけの男の哲学。誰にも真似出来ない唯一無二の職人。プロだよなあ。かっけーよ。鈴木尚広。
その男、走り屋につき。